覚えられませんっ

元「覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録」。遅ればせながらブログ移行してみた次第。

「デジタル手帳」の仕事術^^;;-メモ編-

メモほどデジタル化しておきたいものはない。デジタルのテキストデータとしてメモを残しておけば、検索や再利用が自在にできる。時間というキーがある日記的なデータやスケジュールデータと違い、メモに適切な検索キーを設定するのは難しい。やはり、メモは全文検索が手軽にできる形で保存しておきたい。
しかし、メモほどデジタル化しにくいものはない。我々がメモを「そのへんの紙に走り書きしておく」ことに慣れすぎてしまっているのがその最大の原因だ。そりゃいちいちPDAを取り出してメモするよりも、走り書きの方が早いに決まっているし、面倒でもないに決まっている。しかし、その一手間を惜しまずに可能な限りその場でテキストデータにすべきだ。

Outlookの「一番使えない奴」

Outlookの中で「一番使えない奴」はたぶん『メモ』である。Outlookで積極的に『メモ』を活用すべき理由はほとんどないと思う。ただ一点、PDAとの同期が便利であるという点を除いては。
俺は最近のPocketPCをよく知らないのだが、以前使用していたGenioでは、手書きデータやボイスレコードも『メモ』として扱われていた。しかし、これらはけっして扱いやすいとは言えなかった。もしPCと同期する際に手書きメモや音声メモを認識してテキスト化してくれるというならば、大いに利用価値はあっただろう。今はどうかわからないが、少なくとも俺が使っていた当時は手軽にそういうことはできなかった。その上、キーボードがなかったためテキストを入力するにも大変不自由であった。つまり、PocketPC上からのメモ入力の際、手書き、音声、テキストの三種類のインプットメソッドが選択できたにもかかわらず、そのどれもが俺にとっては使い物にならなかったというわけだ。これではPDAは事実上閲覧専用になってしまう。だから第一次のメモはすべてアナログで取って重要なメモのみPC上でテキストファイルに入力し二次加工する形でやっていた。

よくできているリナザウの『メモ帳』

俺の愛用するリナザウでは、キーボードがあることによりテキスト入力が圧倒的に楽であるのみならず、『メモ帳』という付属アプリケーションの出来がよい。Windowsの『メモ帳』同様にテキストエディタなのだが、同時にOutlookと同期できるメモアプリでもある。エディタ部とメモ部はタブ切り替え可能で、起動しカーソルでタブ移動しFnキー+Nで新規メモの入力画面になる。慣れるとかなり素早く入力が開始できる。保存されているメモは一覧画面から選択可能であると同時に全文検索が可能で、この全文検索がかなりスピーディーである。このへんの仕様を決めた方はかなり「わかってらっしゃる」。俺は外出時に必要となるであろうテキストデータ置き場として使っている。妻の指輪のサイズなんだっけ、なんてときに「指輪」で検索をかければ瞬時に答え一発カシオミニなのである。もっとも俺のメモデータは短めのもの100件程度だけだ。Outlookはすべてのデータを1ファイルに格納してしまうので、『メモ』もあまり太らせると動作が重くなる。
外出時の実際の運営としては

      • リナザウ上ではスケジューラーとTODOの統合アプリQualendar、該当する曜日の日記テキストを開いたZEitor、それにメモ帳は常に開きっぱなしにして、KeyHelper Appletが提供してくれる機能によりキーボードでタスク切り替え
      • 予定とTODOはQuarendar
      • 居所が定まらないメモ、とっさのメモ、買い物など外出時に必要になりそうなメモは『メモ帳』
      • 完了した仕事の記録、日記はZeditor

という感じで使っている。

デジタルカメラによるメモ

俺はデジカメを持ってはいるもののまったく使いこなせていないeasyモード野郎なので語る資格なしなんだけど、場合によってはデジカメでその瞬間を画像化してしまった方がよいかもしれない。また、時刻表などの掲示物は、インターネット上で手に入る場合もあるが、そうでない場合はデジカメが有効である。さらに、現在の高画素数のデジカメなら書類や新聞記事のコピーすらとれてしまう。印刷して読むというのは厳しいだろうが、PCの画面上などでは十分読み取れるレベルの画像になるはずである。

PC上でのメモ

俺のPC上でのメモの取り方は、基本的に文具としてのコンピュータを考える(2)-メモ(情報カード) - 覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録で書かせていただいた2年前のやり方から変わっていない。あいかわらず、秀丸エディタで作成した「1用件1テキストファイル」形式のメモと『『紙』で取り込んだファイル群を『紙』のデータフォルダである「箱」に入れ、これらのファイルにMCardDB*1でインデックスを付ける、という方法。変わったのは『紙』フリー版の名称が『紙copi Lite』となったことくらい。
あ、それともう一つ、『紙』で取り込んだ場合、キャッシュが削除されたりすると保存したwebページで画像が表示されなくなることがあるようなので、「おお、このページ、まさに俺が求めていた情報だ。ありがてえ。完璧に保存しておかねば。」などという場合にはmht形式で保存している。mht形式はリナザウNetFrontでもしっかり表示できるので、リナザウに転送したいデータにも適している。
そんなわけで、『紙』で使い慣れた右クリックメニューからmht形式で保存可能にしてくれるソフトを長らく探してなかなか見つからず、結局AutoHotKeyのスクリプト(ってよりはキーボードマクロのレベルですが)でうまくいった。

#NoTrayIcon
send, !fa{Tab}{Down}{Down}{Enter}!s

他の自動化ソフトでは「なんかうまくいかねー」ということが多かった(俺が馬鹿なだけだと思う)のだが、こんだけであっさりできてしまった。これになんちゃら.ahkと名付けて、IE Context Launcherなどで右クリックメニューに登録して使用する。ウィンドウクラスとか一切指定していないので、IE以外のアプリから呼び出すと誤動作します。なお、IEエンジンのブラウザで「Alt+f→a→Tab→Down(下矢印)→Down→Enter→Alt+s」のキー操作でmht保存が可能な場合は使えると思いますが、まったく保証はできませんってそんならわざわざこんなもん貼るなって感じですねまったくあいすみません。

デジタルでカバーできない部分

メモのうち、どうしても「紙(ってソフトじゃなくリアルな紙ね)+筆記具」でなければならない場合がある。
ひとつはメモしながら考えを整理したい場合とか、マインドマップのようなものを書きたいとか、マンダラートにするとか、まあ主にアイディアメモのようなものを作成する時である。こういった場合は、メモとはいえ一定の大きさのあるノートを使うべきだ。俺は2006年版手帳やメモについて考えた-その2 - 覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録でも書いたんだけど、LifeクリッパーノートG1379というA5版5ミリ方眼のノートを使っている。ただ常に持ち歩いているとわりと短期間で痛んでくるので、トリム / TRIMというところ*2で購入したA5のノートカバーを使用している。カバーを掛けると簡単に二つ折りにできるというリングノートの長所を殺すことにもなるのだがまあしかたがない。
もうひとつは、本当にとっさのメモでリナザウを取り出すことがかなわない場合。この場合は財布に収納した付箋紙+ボールペンでメモする。財布はナイロン製のポーターカプセル。革製だと付箋も貼りにくくボールペンもうまく収納できない。付箋はポストイット強粘着タイプ。できるだけどこにでもはれてはがれにくいものが応用が利く。ボールペンはプラチナPocket。ゼブラのシャーボ、パイロットの2+1シリーズなど広く使われている「ゼブラ4C規格」のリフィルが使える。
外出時は何はなくとも財布だけはまず持っているので、メモし損ねることがなくてよい。

俺の脳内をそっくり検索

PCでのメモの保存場所すなわち『紙』のデータフォルダは、一部拡張子をフィルタリングしてそっくりそのままSDカードに転送し、リナザウでも使用している。日記やチェックリスト、ブックマークをテキストで管理する - 覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録で記述した「お気に入りテキスト」などもすべてこのサブフォルダに保存してある。ここは俺のPCのハードディスク内でも最も頻繁に更新されるフォルダなので、これらを一日に複数回同期させることで最直近のバックアップもとれていることになる。そしてPCでもリナザウでも、このフォルダの全文検索をすれば、俺が見たり聞いたり感じたり考えたりしたことすなわち俺の脳内のかなりの部分を洗いざらい捜すことができるのである。

*1:このソフトは作者氏のホームページがNot Foundだったりするので、あまり将来性はないかもしれない。

*2:A5の皮革製ノートカバーを探すのにはかなり苦労した。革小物の店にオーダーメイドしようかとすら思って値段を聞いたところウン十万円単位になるといわれたりした。明らかにからかわれているのである。俺は特定のショップへのリンクは張らない、というのを一応のポリシーにしていたのだが、同じ苦労をした人がここにたどり着いた時のため、今回は例外的に張っておきます。