覚えられませんっ

元「覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録」。遅ればせながらブログ移行してみた次第。

リナザウVSPockePC 南海の大決闘

俺は人にものを薦めるのが好きではない。「俺はいいと思うよ」ってのはいい。「おまえはこうすべきだ」ってのがいやなのだ。人道的にとか道徳的にってのはまだしも、よくいるじゃないですか、自分がうまいと思った食い物屋や自分が好きな音楽や本を他人に薦めまくって「もう行った?」とか「聴いた?」「読んだ?」とかうるさく言って感想を共有しようとするひと。「まだ」なんて答えると不満そうなリアクションをするひと。俺は天の邪鬼なので、押しつけがましい薦め方をされるとそれだけでもううんざりしてしまう。自分の性格が悪いのは重々承知しているが、ひとの価値観を無神経に自分と同列において疑わない、というのは勘弁してほしいと思うのだ。だから当然ここで述べていることは「俺は俺は俺は」ってことであってあんたらそうしろとかそうしないのは馬鹿とか言うことでは全くないのでそのへん誤解なきようによろしくお願いしますってそんなこたあわかってるから早く本題に入れ?仰せの通り。

Qualendarを導入する

前回述べたとおり、リナザウをPIMとして使用するにあたり、よりキーボードでの操作を快適にするためにはQualendarを導入する必要がある。しかし、リナザウのフリーソフトの多くがそうであるように、Windowsユーザーから見てユーザーフレンドリーというわけにはいかない。リナザウ初心者だと、俺がそうであったように、「う。よくわからん。めんどくさそう。やめ。」という短絡的な反応をしてしまうかもしれない。そこで俺自身が導入時にちょっと困った部分などを覚え書きしておくことにする。これから導入してみよう、という方に多少なりとも参考になるとよいのだが。

Qualendarのインストールと初期設定

インストール自体は特に問題ない。QualendarutilとQualendarboxの二つのipkファイルをインストールするのみ。リナザウの「ソフトウェアの追加/削除」からふつうにインストールすればよい。しかし、注意点が一つ。Qualendarboxはデフォルトの「カレンダー」「ToDo」の置き換えアプリという性質を持つアプリケーションなので、インストールするともとの「カレンダー」「ToDo」は起動できなくなる。そのため、バックアップを取っておくことが推奨されている。バックアップはQualendarutilの機能なので、Qualendarboxをインストールするよりも前に、Qualendarutilをインストールし、バックアップを取っておく。俺自身はPIMを全く使用していない段階でインストールしたのでバックアップを取らなかったが、その後一度アンインストールしたときには問題なく標準の「カレンダー」「ToDo」が復帰した。しかし慎重を期すかたはやはりバックアップは必須。フリーウェアを使用するのにはある程度の自己防衛は必要だと思う。何かあってもあくまで自己責任であり、作者氏に泣きついたりできないのがフリーウェアなのだから。
リナザウでQualendarを起動すると、おそらく第一印象は「文字がちいせえ」だろう。とりあえず見られる文字にする必要がある。メニューの「特別-設定」でQualendarutilが起動するので、設定ボタンでOKを押す。「フォント」タブでフォントの大きさを変えられる。俺はすべてのフォントを16にした。大きくしすぎると一覧性が失われるが、目のいい俺でも16くらいの大きさは必要な気がする。なお、マンスリー・ウィークリー・デイリーの表示フォントはそれぞれ月・週・日のタブで設定する。ここも俺はすべて16に設定した。月と週の日付のフォントサイズは12にしてある。また、「日」タブでの「行の高さ」も変えておく必要があると思う。フォント16の俺は行の高さ20でちょうど見やすい感じだ。

設定しておいた方が良さそうな部分
    • 「色」タブ

「背景に色を付ける」にチェック。下のリストをスクロールして「今日(背景)」を黄色など一目でわかる色にしておこう。デフォルトでは今日の表示がちょっと地味でわかりにくいように思う。

    • 「ToDo」タブ

「ToDoを表示」はカレンダー表示の時にToDoも表示するのならチェックを入れる。前回述べたように俺はスケジュールもすべてToDoとしているので、当然チェックしている。スケジュール中心の表示をしたい場合ははずしておいた方が見やすいかも。

    • 「日」タブ

「予定の最小の高さ」という表現が耳慣れないかも。Outlookで言う「日」のビュー設定の「時間単位」にあたるものである。もっと平たく言えば時間軸の一行にあたる時間を設定すると言うこと。Outlookと同期させるなら統一しておく方が使いやすいような気がする。

    • 「分類」タブ

ここが非常にわかりにくい。このタブでフィルターを設定するのだが、ヘルプの表記では何すりゃいいのか全くわからない。俺はを見て初めて設定できた。を見ていただいた方が遙かにわかりやすいと思うが未来の俺のために一応簡単に書いておくことにする。

  1. あらかじめ「分類」しておく。たとえば定期スケジュールを非表示にしたい場合は定期スケジュールすべてを「定期」に分類しておく。Outlookで分類して同期してしまった方が楽ではある。
  2. フィルター0〜9の空き番号どれかを選択、「名前」にはフィルターの名称(このフィルタを通すと何が非表示になるのかがわかる名称を自由に付ける)、「デフォールトの分類」には新規に作成するデータの分類の初期値を入れる。「未分類」をデフォルトにしたい場合は何も入力する必要はない。
  3. 下のリストの「分類」から「定期」を選び、編集ボタン。
  4. 選択したフィルタ番号の列で、非表示にしたい画面(上から1日画面、1週間画面、1ヶ月画面、検索画面、TODO画面)にチェックを入れる。

この設定により、メニューの「表示-フィルター」から2でつけた「名前」を選択すると、その分類に該当するデータが4でチェックした画面では非表示となる。
PDAでは画面が狭いし、外出時に参照することが多いため必要なデータに迅速にたどり着きたい場合が多い。そういう意味でフィルターは非常に重要な機能だと思う。一応実用にはなるものの、このインターフェイスは一考の余地があるように俺には思える。

基本操作
    • 表示の切り替えはワンキーでできる。yで年、mで月、wで週、dで日、tでToDo、fで検索。このへんたいへん覚えやすい。また.で今日に移動。
    • Fn+Nで新規データ作成。カレンダー画面の時は新規予定、ToDo画面の時は新規ToDo。
    • Fn+Mで選択データを編集。
    • ToDoではSpaceで完了・未完をトグル。またcで完了のみ表示、未完のみ表示をトグル。

覚えらんない人=俺が覚えたのはこの程度であるが、これだけでもPocketPCのPIMをスタイラスで操作するよりもずっとてきぱき操作できる気がする。

PocketPCのPIMと比較してみる

俺は以前PocketPCGenio)を使っていた。PIMとしてはほとんど使ってなかった上に現在Genioはお隠れになられたので不正確きわまりないのだが、俺の記憶と印象だけでQualendar導入後のリナザウと比較してみたい。なお、最近ではPocketPCも640X480の解像度のものがあったりするが、俺が使用していたものは3年も前の機種であるゆえ、その点は誤解なきよう。

    • カレンダー/予定表

月表示と週表示に関してはリナザウ>>PPC。Qualendar導入後は大幅に視認性が上がる。しかし一日表示では、少なくともビュワーとしてはPPC>リナザウ。Qualendarを導入後、一日表示は予定の入っている時間帯以外表示されなくなってしまう。予定のない時間帯が一覧できないと、新しい予定をどの時間帯に入れられるかとか今日はどのくらい空き時間があるのかとかが判断しにくくなる。PPCではOutlookスタイルの表示で時間軸があるのでそのへんが非常に掴みやすい。空き時間を見つけたらタップアンドホールドでその時間を起点とした予定を即座に作ることもできる。

    • ToDo/仕事

一覧できるToDoの数、重要度による表示の見やすさなど、QualendarのToDoはかなり使いやすい。PPCにもMabTasksという良いソフトがあるが、これは現在シェアウェアになっている。デフォルトの「仕事」のままで勝負するならQualendarを導入したリナザウのほうが上か。

    • Outlookとの同期

マイクロソフト製品同士をマイクロソフト製品を使って同期するのだから、ふつうに考えてPPCが上、であるはずなのだが、俺の使用感ではそうではない。PPCのActiveSyncはクレードルにおくとすぐに同期してくれるので、同期のし忘れは確かになくなるが、同期の規則を設定し損ねたりしてこちらの思い通りの同期をしてくれない場合、有無を言わさず「残したい方を消したい方で上書きしてしまう」というケースが生じる。そのほかやたら「競合」がでたりするので、俺個人ではなんかザウルスのIntellisyncのほうが使いやすい気がするのだ。

    • 新規データの作成

この点に関してはリナザウ>>>>>>>PPC。俺はQualendarのToDo画面を起動しっぱなしなので、KeyHelperで設定したタスク切り替えキーShift+Menuで切り替え→Fn+Nで即座に新規作成画面に入れる。入力もキーボード。PPCでは、すべてをスタイラスでちまちまと操作するのがおっくうで、PIMデータのビュワーとしては使えても、予定やToDoを発生ただちに入力、ということがどうしてもできなかった。リナザウではそれが可能。予定もすべてToDoとして入力する、という俺個人のルールも俺にはあっていたようで、非常に快適に使えている。
結論。PocketPCはOutlookビュワーとしてはよい。新規に入力することまで考えるのであれば、リナザウ+Qualendarに軍配。

だからリナザウ買ってくださいよと節を屈してお薦めする俺

PDAで何をしたいか、にもよるのだが、キーボードがあることの優位性ってのはすげえな、とリナザウを使って思った。PDAであっても「入力」ってのはやっぱり少なからずあるわけで、そのときに手書き認識とキーボードではスピードも精神的なおっくうさも大きく違うような気がする。もちろんおれはキーボード嫌いなんだよってひともいるだろうが、一応ブラインドタッチができるくらいにキーボード慣れしているひとなら迷わずリナザウですよわかってくださいよ皆さんが買ってくれてリナザウが売れて生き残ってまた新機種がバンバンでるとうれしいじゃないですかSL-C1000も結構売れてるみたいだしまたHDD搭載の新リナザウがでてくれたりしたらまた悦ばしからずやじゃないですか俺は買えないけどそんで俺も次の次の新機種くらいまでに金貯めてまた買うじゃないですかリナザウ出なくなったら俺はどうすればいいんだよ辞書どうすんだよToDoどこに入力すりゃいいんだよ携帯電話のちっちぇえキーボードでちまちまちまちま入力しろってえのかぜってーに嫌だ嫌だ嫌だだからあたしゃ節を屈してお薦めしますええお薦めしますとも。