覚えられませんっ

元「覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録」。遅ればせながらブログ移行してみた次第。

文具としてのコンピュータを考える(3)-ノート

俺はHTMLが書けない。コンピュータに関する日記を書いているのにお恥ずかしい限りであるが、紙2001で取り込んだHTMLに見よう見まねで自分用のメモを挿入するくらいしかやったことがないのだ。これから述べることはもしかしたらHTMLが書ければこんな高価なソフトを使わなくてもできることなのかもしれないが、少なくともOneNoteというソフトに興味をお持ちの方には何らかの参考にはなる可能性はあるし、何よりも俺自身の呆け防止になるので続けさせていただく。「じじいの呆け防止につきあわせんじゃねえ」とお怒りの貴兄ももう少しだけ辛抱願いたい。

ノート→OneNote2003

俺にとってメモは「緊急時の走り書き」というイメージである。実際には価値ある思いつきや情報はじっくり腰を据えて書き留められるときにやってくることはまずないので、ある意味最重要の文字情報である。これをコンピュータ上に置き換えれば「おおおお」と思ったWebページや「あ」とひらめいた思いつきなどになるだろう。このへんを俺は紙2001に担当してもらってるわけだが、こうしたメモのうち、関連のあるものを集めて並べたり並べ替えたり、重要な部分にアンダーラインを引いたり、文章であれば推敲整理してつなぎ合わせてみたり、必要であれば図を加えたり、こういう作業をする場が俺にとってはOneNoteということになる。つまり、メモを清書し、箇条書きに整理したり図を入れたりしてわかりやすくまとめるという、まあ通常の文具でいうメモ用紙に対するノートの役割みたいなものだ。しかし重要なのはその過程である思考のほうである。つまりOneNoteは「思考の場」となりえるソフトである、というのが俺の感想である。
OneNoteの「ノート」らしいところをちょっと挙げてみると、

  1. テキストや図を「部品」として、それを並べ替えたりつなぎ合わせたり、ということが簡単にできる。ものすごくでかいノートのうえで、付箋紙や写真を並べ替えたりする、というイメージに近いかも。
  2. 図の取り込みはかなり柔軟にできる。エクスプローラなどからファイルのドラッグアンドドロップでも、グラフィックソフトでjpegなどを開きクリップボードにコピーするやりかたでも、OneNote上の任意の場所に貼り付けることができる。マウスドラッグで拡大縮小も自在にできる。俺は主にスキャナから取り込んだ図を貼り付けているが、300dpiフルカラー、3メガほどのjpegファイルでもストレスなく取り込める。
  3. 箇条書きが得意。階層を変えたり、記号や番号を変更したり、ということが非常に簡単かつ柔軟にできる。箇条書きの行の並べ替えなどもドラッグアンドドロップで非常に容易にできる。エディタのアウトラインなどよりももっと柔軟な感じ。
  4. ノートフラグというものがあり、「タスク(チェックボックス)」「重要」「疑問」などのアイコンを、今でもあるのか俺は知らんが、昔学習雑誌によくついてきたノート整理用のシールを貼るみたいな感覚でつけられる。これ、意外と楽しいのだ。勉強そっちのけできれいなノートを作ることに燃えた学生時代を送った方(だいたいこういう人はあんまり勉強できないんだよなって余計なことをいうな俺)にはおすすめかもしれん。さらに「蛍光ペン」で色とりどりのラインも引ける。
  5. 手書きの図や文字を入れられるらしい。タブレットPC向けの機能らしいが、俺は使ってないので詳しいことはわからない。

こう挙げていくと結構いいソフトじゃん、とあらためて思う。

文句も言わせてください

ノートはメモより重いものなので、ソフトがやや重たいのは仕方ないと思う(というか機能の割には軽快に動作する、といえるかもしれない)が、マイクロさんのソフトの常として、フォルダの扱いがぞんざいなのはホント勘弁してほしい。データフォルダそのものは好きな場所に作ることができるが、そのデータフォルダ内のファイルの扱いがぞんざいなのだ。たとえば外部のテキストファイルへのリンクを作りたいとする。SP1をあてる以前のOneNoteはリンクを作ったつもりでいるとそのファイルがOneNoteのデータフォルダにコピーされている、という仕様になっていた。さすがにこれはSP1からファイルをドロップするとリンクだけを張るのかフォルダにコピーするのか訊いてくるようになったが。
さらにそのようにしてデータフォルダ内にコピーされたファイルが、ノート上でリンクを削除しても消えずにフォルダ内に残っていたり。また、リンクがURL形式(file:ってやつね)で、クリックするといちいち本当に開いていいか確認を求められたり。私はあなたのことを心配しているのですよ余計なお世話なんて思わないでくださいねほんとに変なリンク開くと大変なことになりますよなどと人のことを心配しているように見せかけておいて裏では・・・みたいな嫌な感じ。こういうことって、皆さん意外と気になさらないのだろうか。全体的にあくまで輸入物のソフトで、日本語版としてこなれてない、と感じる。

検索は非常に出来がいいです

文句を言いながらも俺がこのソフトを結構使っているのは、なんといっても検索の出来が非常にいいからだと思う。インデックスを作成しているようで、検索はわりと高速である。俺のOneNoteデータフォルダは120MB近くあるが、全文検索は6秒程度で終了する。(Pentium4、2.6GHzのデスクトップPC上。)検索のインターフェイスも優れていると思う。タブブラウザの検索バーからGoogleなどを検索する場合とかなり似たイメージの全文検索ができる。検索結果はサイドバーとして表示されるので、やはり最近のSleipnirに匹敵する便利さがある。ページの表示も高速だし、検索語の反転表示などもちゃんとやってくれる。ワードやエクセルの検索のイメージとは全く別物といっていい。

データの入出力

このソフトが発売された当時、「紙2001」のようにWebページが取り込めるソフトなんだろう、と思った人は多かったようだ。これは大きな誤解。このソフトはWebページをそのまま記録するソフトではない。「素材」に分解して取り込むソフトなのだ。テキストはテキスト、リンクはリンク、画像は画像と、別物としてバラバラに分解してしまう。レイアウトは崩れるが、その代わり画像をドラッグで拡大縮小したり、テキストやリンクも前述のように簡単に移動できたり箇条書きにして番号を振ったりできる。つまり、Webページの素材をノートに加工するんでしょ、という前提なのである。スクラップブックじゃなく、ノートなんですよという主張だ。これはこれで正しい態度といえなくもないと俺は思う。その他たいていのデータはクリップボード経由またはドラッグアンドドロップで簡単にノート内に取り込むことができる。
出力の方はmhtファイルとして出力可能。htmlとかにはできないようだ。

意外とミーハーな俺

あと、このソフト、結構きれい。デザインとか色遣いとか、俺自身の個人の趣味だがなかなかいい感じだと思う。またノートフラグとか蛍光ペンとか、使っててちょっと楽しくなる感じ、ってのはあるかも。基本的に俺は色気のないソフトばかり使っているので、たまにOneNoteを起動するとちょっと華やいだ気分になる。男性社員ばっかの中小企業における紅一点若手女子社員。季節は春であり明るい色の薄手のスーツに身を包んだ彼女が俺の席の前を通り過ぎるときのシャンプーの香り。OneNoteにややそんな感じを持っている俺である。でも彼女、俺のことを気にかけているように振る舞っておきながら裏では(ry