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覚えられませんっ

元「覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録」。遅ればせながらブログ移行してみた次第。

「デジタル手帳」の仕事術”^^;;”-スケジューラー編-

誰でも長年培ってきた習慣には愛着がある。長年連れ添った道具にもまた。手帳は肌身離さず持ち運ぶものだから、その愛着もひとしおであろう。その愛着ある手帳を味気ないデジタル機器に代えることなど耐えられない、という人は多いだろうし、その気持ちも大変よくわかる。しかし、自分の手の油の染みこんだ手書きの手帳を使い続けるのは、慣れ親しんだ安心領域に引きこもり、自分の臭いのする温まった布団の中でうたた寝をするようなものである、とあえて言ってみたい。デジタルのスケジューラーは、手書きの手帳とはまったく別の次元のものだ。俺もデジタルスケジューラーについてはまだキャリア1年にもならないかけ出しだが、これまでの手帳の発想からデジタルスケジューラーを見ていたのではとんでもない思い違いをすることがようやくわかってきた。そしてこの思い違いをただせないでいる「手帳本」の著者が大変多いのではないか、と生意気にも思っている。
俺が垣間見た「次元の違い」をつたない言葉ではあるが、記録してみることにしたい。

「スペース」に対する誤解

一般に紙の手帳がデジタルに比べて優れている点として「一覧性が高い」という要素があげられる。たしかにPDAの画面ではスケジュールを俯瞰することは難しい。しかしPCならば、マルチディスプレイ一杯にOutlookを表示することで、面積的に紙の手帳を凌駕することが可能である。しかもマンスリー、ウィークリー、デイリーの視点の切り替えが容易。以前は液晶ディスプレイを2台買うというのは大変な投資であったが、いまや費用対効果を考えればまったく高くない。また、ウィークリーのビューでは一覧性に問題ありのPDAであっても、デイリーにビューを切り替えれば同サイズのウィークリー手帳を確実に上回る情報量が表示できる。
さらに一覧性が高いということと記入スペースが多いということはまったく別問題である。紙の手帳では、記入できる情報量は紙の面積に正比例する。デジタルスケジューラーでは、その制限は全くない。ここが「次元の違い」を生むのである。

デジタルスケジューラーには「第2領域」を盛り込める

スティーブン・コヴィー氏の『七つの習慣』に書かれているあまりにも有名な「時間管理のマトリックス」。フランクリン・プランナーの思想の柱のひとつになっているものだ。人の行動を「緊急度」と「重要度」を軸に「第1領域」から「第4領域」に分ける。

      • 第1領域=緊急かつ重要(締切仕事、クレーム処理など)
      • 第2領域=緊急でないが重要(健康維持、家族関係の維持、自己啓発など)
      • 第3領域=緊急だが重要でない(ほとんどの電話、隣人の突然の来訪など)
      • 第4領域=緊急でも重要でもない(ネットサーフィン、パチンコ、だらだらテレビなど)

従来のスケジュール管理は、第1領域に目を奪われてしまうもので、危機や問題に振り回されがちになり、その結果第4領域に逃避しがちになる。いかに第2領域に注力できるようにするかが本当の時間管理のカギである、というのがその主旨だ。最近の手帳本で「自分との約束」みたいに言われているのがこの第2領域の時間管理である。
おそらく、この考え方を知らなかった人が自分のスケジューラーを見ると、第2領域にあたる行動予定は手帳に記入していない場合が多いだろう。「空き時間に」「時間ができたら」という感覚で第2領域に接している場合が多いはずだ。
家族の予定をスケジューラーに入れておけば、自分の予定と家族の予定をリンクさせて、自分の予定をちょっと動かすことで家族との時間を持てるようにする、といったことができるようになるだろう。できれば見ておきたい展覧会の期日をスケジューラーに入れておけば、近くに行ったついでにちょっと覗くことができる。天気予報までスケジューラーに書き込んでおくと、この日は降水確率が低いから子供たちをちょっとした散歩に連れ出そうとかいう計画ができる。紙の手帳ではスペースに限界があるため、時間的に制約のないことや、自分が直接関わるわけではない家族の予定、行くか行かないかわからない外部の行事日程などは記入しづらい。デジタルスケジューラーならばとりあえず全部ぶち込んでしまうことができる。また、時間に制約のない予定は変更されやすいが、デジタルの修正の容易さは抜群。ドラッグアンドドロップで別の日に移動できる。*1
Outlookであれば、このように雑多に大量の予定が入っても、フィルタをかけてノイズになる情報を取り除いたり、「ラベル」「分類項目」を上手に使うことで極端に見にくくなるのを避けられる。また「表示-現在のビュー」から、様々な視点でスケジュールを検討できる。このOutlookの「現在のビュー」はある意味デジタル手帳の真骨頂ではないかと思う。

Outlookの弱点を補う

さて、このようになにもかもOutlookにぶち込んでいく、というやり方をすると、当然スケジューラーは汚れてくる。予定として入れていたことで結局できずにあきらめたことがそのまま記入されていて自己嫌悪に陥ったりもする。Outlookは完全に未来を向いているソフトであり、過去に予定だったことがらを振り返るためのソフトではない。だから過去のスケジュールは「アイテムの整理」という名目でバックアップファイルであるarchive.pstに移動される。(ツール-オプション-その他-古いアイテムの整理 で移動しない設定にもできる。)PDAとの同期でも過去のスケジュールは適当に削除されていくようである。この部分はデジタルスケジューラーのひとつの弱点といえよう。最近3年連用などのダイアリーに人気があるようだが、その大きな理由は「去年の今頃何をしていたか」を振り返ることができることだろう。「あ、去年これで失敗したんだよな忘れてたぜ。よし、今年は前もって・・・」こういったことができるのが人気の秘密なのではないか。年ごとの同じ時期、月ごとの同じ日付、週ごとの同じ曜日は多くの仕事が定型スケジュールの性質を持つ。デジタルスケジューラーは、定期スケジュールはめっぽう入れやすいが、去年の今頃を振り返りたい、ということになるとほしい情報が削除されている可能性が高い。
この対策として超強力なのが「テキストファイルで日記を付ける」ことである。Outlookはあくまで未来に向けて使用し、過去の予定は放置する。過去の記録はすべて日記としてテキストファイルに記述していく。

スケジューラーと日記

前回、フランクリンプランナーの1週間4ページのウィークリーについて触れた。1週間が4ページ、2枚のリフィル。右ページから1週間が始まり、最初にその週のTODOリスト、次に見開き1週間のバーチカルのスケジュール、最後の左ページがノート。この最終ページのノートを俺は日記帳的に使っていた。通常の見開き1週間のウィークリーは、右ページの裏は次の週。1週間ごとに区切られているようで、実は1枚のリフィルに2週間のことをまたがって記述することになる。それに対しフランクリンの場合は次の週は新しいリフィルの右ページからはじまるため、ノートはいくらでも補充できる。つまりスペースを気にせずに書ける。これは重宝した。これを使い始めてから、未来の予定だけでなくその日済んだことについても記述しておく習慣、すなわち日記を書く習慣がついた。
デジタル日記はその発展形。スペースを気にせずに書ける、という点では右に出るものはない。どんなに多量のテキストを書いても、ノートが終わる心配はないし、物理的に重くなる心配もないのだ。そして、当然すぎることだが、デジタル日記を検索すなわちGrepをかけた時の威力足るや、筆舌に尽くしがたいものがある。俺はまだ1年分しか蓄積がないけれど、過去の日記帳をすべてPDAで持ち歩き、検索できることの恩恵がどんなものかは十分に想像がつく。

デジタル日記の俺なりの作法
  1. ファイル形式はテキストファイル
      • 見出しを作ったりフォントを変えたりする必要はない。重要なのはPDAでもスピーディーに取り回せること、検索が容易であること。
      • どうしても見出しがほしければ、エディタの強調表示機能を使うこと。
  2. PCでもPDAでも開きっぱなしにしておく
      • 小さな仕事でも、一段落するたびに日記に記録しておく習慣を付ける。キーボードのないPDA、マルチタスクの切り替えが面倒なPDAではこの習慣を付けるのが難しい。
      • ザウルスであればキーボードでのタスク切り替えを便利にするKeyHelper Appletは必須。俺は持ってないのでよくわからないがW-ZERO3ではTaskSwitch+というソフトなどがあるようだ。
  3. 曜日ごとのテキストファイルにする
      • 曜日ごとに作業が定型化される場合が多いので、前の日記をコピペして雛形にできる。
      • 「何曜日のことだったか」は比較的記憶しやすいので、Grepをかけるまでもなくファイルを開ける場合が多い。
      • ファイル名はmonday.txtなどとし、1年を7ファイルでまかなう。前年度分は2005monday.txtなどとリネームして同じフォルダにおいておく。
      • PCでは曜日ごとのスタートアップが作成できるみやすたっぷを使用するとよい。

手帳に書いたデータ、付箋にメモしたデータ、PDAの手書きメモのデータ、Outlookのメモ、ボイスメモの音声データ、デジカメをメモ代わりにした画像データ、おまけにPCでは日記ソフトの独自形式データ。こんな具合にデータをバラバラに持っていた時期が俺にもありました。それでは絶対に駄目である。できるかぎりPC、PDAにテキストを入力する習慣を付ける。それには、いつでもテキスト日記を開きっぱなしにして、そこに入力していくのがよいと思う。文書やメールへの使い回しが効くのもいうまでもない。

*1:本当は第2領域の活動時間は他の領域の活動に優先して断固確保すべきなんだが、実際問題なかなかそうはいかないですよね。