とうとうポチエスです。このソフトもたいへん奥の深いソフトで、完全に使いこなすには上級者の方でもちょっと苦労されている様子です。まして私などははっきり言って使いこなすなどほど遠いレベルです。見よう見まね程度でいじってみたら、それでも十分便利十分魅力的。ここまで使えればもういいや、と自分にストップをかけてここしばらくはバージョンアップもしていなかったのです。そんなソフトを解説しようというのですから神をも恐れぬ所業不届き千万不埒な悪行三昧といえましょう。ですから私の解説でよく分からない場合、さらに使いこなしたい場合は、このページの「ソフトウェア関連サイトリンク」にある諸先輩方のサイトなどを訪問したり検索したりしてみると良いかもしれません。
インストール
このソフトはおそらくフリーソフトの中でも導入が難しい方でしょう。インストール自体は適当なフォルダ(ここではc:\program files\ExtSelとして解説します)に解凍する、でOKですが、何の設定もせずにいきなり起動すると、???、という感じになるはずです。たいていのソフトはとりあえず起動してみれば何となく感じがつかめるでしょうが、このソフトはまず最初にある程度の設定をしないとどんなソフトかすら分かりません。iniファイルをエディタで編集する、という作業が起動前に必要になります。そんなめんどくせえことしたくないけどどんなソフトか一応見てみたいって方は、解凍したiniの拡張子を持つファイルを片っ端から_を削除してリネームすれば、とりあえずポチエスのウィンドウは出ますし、Windowsの標準ソフトを起動できます。しかし、おそらくほとんど意味のない行為になると思います。
そんなわけで、まずは初期に設定しておくべきiniファイルから解説していきます。面倒ですが、それだけの価値のあるソフトですので、ちょっとがんばってみてください。
いきなり言い訳する俺、じゃなくて私
ポチエスはあまりにも奥が深いためまた私自身が浅いところしか分かっていないため、ここでは勝手ながらポチエスでやることを次の2点*1に絞り込んでしまいます。
- 拡張子判別実行(Windowsの関連付けを拡張する。あふなどから拡張子別に複数のソフトが起動できるようなメニューを表示させる。)
- フォルダを簡易ファイラ表示(フォルダ内をスタートメニューのようなメニューにして表示させる。ショートカットを集めたフォルダを作って表示させると簡易ランチャとして活用できる。)
ポチエスにはこれ以外にも山のような機能が盛り込まれているのですが、これだけでも十分便利なソフトだと思います。
さて、それではiniファイルを設定していきましょう。上記2点に関わりのある部分以外は一切説明しませんっていうか私には説明できませんので、ヘルプなどをごらんになって下さい。
esSys.ini(動作基本設定)
基本的には_esSys.iniをエディタで開き、必要があれば以下の部分を書き換えてesSys.iniとして保存します。_のついたもとのiniファイルはそのまま残しておくと初期値を確認したいときなどに助かります。
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- menu***=0,0はポチエスのウィンドウの出現位置を指定します。マウス位置にウィンドウを出したい場合はmenu=mouseに、座標を指定したい場合はmenu=0,0などとx,yの形で指定します。様々な局面でポチエスを使用するようになると、出現位置を指定したい、というケースが出てくるはずです。たとえばブラウザから起動した場合はマウス位置、あふから起動した場合はあふのウィンドウの位置、というように。おすすめはmemu=の指定だけを変えた複数のesSys.iniを作って、ポチエス起動の際にコマンドラインオプションで使い分けることです。たとえばこんな感じです。
- esSys.iniはmenu=mouseに。
- カレントウィンドウの隅に出したい場合はデフォルトのmenu***=0,0のままでいいです。これをesSysCurrentWindow.iniとでも名付けておきます。
- マルチディスプレイ環境の方はmenu2***=0をmenu2=1に。そうでない方は書き換えの必要はありません。
- execute***=.exe|.lnk|.pif|.url|.hlp|.chmの***を削除。この行は指定した拡張子を判別メニューを出さないで即実行させる指定です。ここにlnkを指定しておかないと、前述の「ショートカットを集めたフォルダを作って表示させると簡易ランチャとして活用できる」ってのが駄目になります。*2exeあたりはメニューを出したい方もいるでしょう。そうした場合にはここから.exe|を削除しておいてください。
- menu***=0,0はポチエスのウィンドウの出現位置を指定します。マウス位置にウィンドウを出したい場合はmenu=mouseに、座標を指定したい場合はmenu=0,0などとx,yの形で指定します。様々な局面でポチエスを使用するようになると、出現位置を指定したい、というケースが出てくるはずです。たとえばブラウザから起動した場合はマウス位置、あふから起動した場合はあふのウィンドウの位置、というように。おすすめはmemu=の指定だけを変えた複数のesSys.iniを作って、ポチエス起動の際にコマンドラインオプションで使い分けることです。たとえばこんな感じです。
esExt.ini(拡張子関連付け指定)
まず、何はなくとも以下を設定してください。
// 上記に該当しないものは、ここに割り当てます [.*] C:\WINDOWS\NOTEPAD.EXE %name=メモ帳 C:\WINDOWS\EXPLORER.EXE %end
この部分を
// 上記に該当しないものは、ここに割り当てます [.*] @system %name=関連付けで開く %end
と変更します。こうしておくと、esEXT.iniに記述されていない拡張子は標準の関連付けで開きます。あとは複数の関連付けをしたい拡張子について記述していけばよい、ということになります。設定例と記述のポイントを挙げておきます。
[.txt][.ini][.bat] C:\Program Files\HIDEMARU\HIDEMARU.EXE %opt= /r "%P"%|上書き禁止 %opt= /b "%P"%|閲覧モード %name=秀丸で開く C:\Program Files\Microsoft Office\Office10\EXCEL.EXE %name=エクセルで開く C:\Program Files\convert\khtmlcnv.exe %name=HTMLに変換 C:\Program Files\Gettext\getText.exe %opt= "%P" %name=内容をクリップボードにコピー %option %end
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- まず[.txt][.ini][.bat]などと共通の設定をしたい拡張子を並べます。
- アプリケーションの実行ファイルをフルパス指定します。ここでは秀丸エディタのパスを入れています。
- コマンドラインオプションを記述する場合は%opt=に続けて記述します。この例では「書き込み禁止」と「閲覧モード」の二つのオプションを選択できるようにしていますが、常に同じひとつのオプションだけ指定する場合は%optionだけの行を以降に付け足す必要があります。オプションが不要の場合は%opt以下は不要です。
- 続いて%name=表示したい名前 の1行を。
- 実行ファイルのパスから%nameまでが一つのソフトに関する記述となります。同じ拡張子に関連づけたいソフトを同様の書式で並べて記述していきます。
- 拡張子のセクションの終わりには%endのみの行を記述します。これでひとつの拡張子に関する記述が終了したと見なされます。これを逆手に取ると、わざと%endを記述せずに次の拡張子セクションを続けて、次の拡張子セクションのアプリケーションもメニューに出すことができます。次の例では、[.ico]の拡張子には@アイコン変換と[.jpg][.jpeg][.bmp][.gif][.tif][.png]で出すメニューのアプリがセパレータで区切られて表示されます。
[.ico] C:\Program Files\aicon\aicon.exe %name=@アイコン変換 %sepV [.jpg][.jpeg][.bmp][.gif][.tif][.png] C:\Program Files\Vix\ViX.exe %opt= /v "%P" %name=Vix %option C:\Program Files\IrfanView\i_view32.exe %name=IrfanViewer C:\Program Files\Jtrim\JTrim.exe %name=JTrim C:\Program Files\Tokikaze\Tokikaze.exe %name=疾風 C:\WINDOWS\system32\mspaint.exe %name=ペイント %end
フォルダの登録
通常の拡張子は上記のような方法で設定できます。では、フォルダはどうなるのでしょうか。これもちゃんと拡張子判別実行ができます。[folder]というセクションを作ればよいのです。例を挙げてみましょう。
[folder] C:\Program Files\Afx\afxcmd.exe %opt= -l"%P" %name=あふ左(&l) %option C:\Program Files\Afx\afxcmd.exe %opt= -r"%P" %name=あふ右(&r) %option %sepV C:\WINDOWS\EXPLORER.EXE %name=エクスプローラ(&e) %sepV C:\Program Files\Vix\ViX.exe %name=Vix(&v) %sepV C:\Program Files\foobar2000\foobar2000.exe %name=Foobar2000(&f) C:\Program Files\SuperTagEditor\SuperTagEditor.exe %name=このフォルダのタグを編集(&t) %opt= "%P" %option %sepV C:\Program Files\ExtSel\ExtSel2.exe %opt= /d="%P" %name=ポチエス簡易ファイラでメニュー表示(&.) %option %end
%nameに&eなどと記述すれば、メニューが出ているときにeを押すと即コマンドを実行してくれます。
上記を参考に、拡張子ごとにカスタマイズしまくってみてください。
あふから関連付けメニューを出す
それでは今度は、ポチエスの拡張子別のメニューをあふから起動できるように設定します。K3KEYAFXを起動し、Shift+Enterあたりにこんな感じで割り当ててみます。
"C:Program Files\ExtSel\ExtSelL.exe" /s=esSysCurrentwindow.ini "$P\$F"
これはカーソル位置のファイルをポチエスに渡す設定です。ポチエスには実行ファイルが2種類あり、EXtSel2.exeがフル機能版、EXtSelL.exeがライト版です。一番わかりやすい違いは前者はアイコン表示あり、後者はなしです。あふから起動する場合はアイコン表示がない方がしっくりくると思うので、ここではExtSelL.exeを指定しています。また、/sオプションは動作設定ファイルの指定で、ここでは前に作ったカレントウィンドウ隅にメニューを出す指定をしたiniファイルを指定しています。
さらにあふで現在開いているフォルダを渡す設定は
"C:Program Files\ExtSel\ExtSelL.exe" /s=esSysCurrentWindow.ini "$P"
こちらはファンクションキーに割り当てると良いかもしれません。あふで開いているフォルダをエクスプローラで開きたい、なんて時に威力を発揮します。
無事にメニューは出せましたでしょうか。なお、メニューの下方に「なんじゃこりゃ」ってのがあると思いますが、あまり気にしないで使用しても良いと思います。どうしても気になる方は、ヘルプなどを読んでさらに知識を深めてみてください。
CraftLaunchからショートカットフォルダを簡易ファイラ表示
前回CraftLaunch編で述べたように、コマンドを覚えきれない己の馬鹿に対策するため、ポチエスを活用してみます。ここでは、類似ソフトのショートカットを集めたフォルダを、ポチエスの簡易ファイラで表示してみましょう。たとえば私はレジストリ操作関連のソフトをいくつか使っていますが、たまにしか起動しないため、ひとつひとつをコマンド登録しないでショートカットを集めたフォルダを作り、名前を忘れてもアイコン付きのメニューから選択できるようにしています。ここでは「ショートカット集めたフォルダなんて作ってねえよ」という方のため、どんな感じになるのか手っ取り早く体感できるようにC:\Documents and Settings\All Users\スタート メニュー\プログラムを表示してみます。Windows98とかmeのかたはこのフォルダありませんので適当なフォルダを指定してください。
CraftLaunchのコマンド設定でNewボタンを押し、
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- Nameは適当に。program-allとか。
- LinkはC:Program Files\ExtSel\ExtSel2.exeに。今度はアイコンを表示したいのでExtSel2.exeの方を使います。
- Argは /d="C:\Documents and Settings\All Users\スタート メニュー\プログラム"に。ポチエスの /d=オプションは指定フォルダを簡易ファイラ表示するオプションです。
ショートカットフォルダを作る、ということに関しては、俺がランチャを捨てたわけ(1) - 覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録に記述したので、興味がある方はご参照下さい。
標準の右クリックメニューに割り当て
ポチエスのショートカットを「送る」に登録すると、エクスプローラなどからポチエスを利用した関連付け実行が利用できるようになります。しかし、ポチエスの便利さに慣れると、「送る」を一階層下がるのが鬱陶しくなります。Contexterというソフトを使えば、すべてのファイルの右クリックメニューの第1階層にポチエスを入れられます。このソフトもインストールは解凍のみです。起動したら「メニューの編集」タブの「すべてのファイル」にコマンドライン引数を "%1"にして登録すればOKです。ポチエスでフォルダの拡張子設定にあふの左右窓を加えておけば、エクスプローラから即座にあふに渡せるようになるのが大変便利です。また、拡張子設定ファイルに[.url]を登録しておくと、「お気に入り」から開くブラウザを選択できるようになります。
次回はあふのメニューについて
というわけで、インスタント・ポチエスでした。拡張子でメニューを出すのはあふ単体でも可能ですが、ポチエスを使えばエクスプローラや他のファイラからも拡張子のメニューが出せますので、どうせ設定するのならポチエスで、というのが得策だと思います。
次回はあふ編3ということで、「覚えらんない人の味方」メニュー作成について書きます。