覚えられませんっ

元「覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録」。遅ればせながらブログ移行してみた次第。

リナザウ(SL-C3000)とシステム手帳(フランクリン)を使い分けたい俺

俺は常々4月始まりの手帳を使っている。ゆえに3月から4月にかけて「今年度のスケジューラー」選びをしたので、その間考えたことを書き留めておく。前回の予告と違ってしまうが、お許しいただきたい。

野口悠紀雄氏曰く

「予定表はパソコン向きでない」。俺も経験上ほぼ同意見である。スケジュール管理にコンピュータ(あるいはPDA)を使う上での大きなメリットは「検索機能」と「アラーム」だと思うが、俺はそれ以外に正直メリットが見いだせない。ゆえにこの4月からもやはりスケジューラーは手帳を使用している。

フランクリンプランナー

その手帳だが、昨年度から「フランクリンプランナー」を使い始めた。「ミッション・ステートメント」という自分への公約みたいなものを書かせるのが宗教みたいで気持ち悪い、と嫌う人もいるようだが、俺はもうそのへんを真に受けるほどウブではないので、適当に距離を置いてつきあっている。まあそれはそれとして、この手帳のデイリーとウィークリーはたいへん良くできている。(俺は昨年はデイリーを使用していたが、やはり1週間が一覧できないのは不便に感じ、今年はウィークリーを使っている。)デイリーは見開きで1日分で、左側がTODOと時間軸のスケジューラー、右側がノートとなっており、ここは日記的な使い方ができる。ウィークリーは1週間4ページ。最初のページがその週のTODO、次に見開きのスケジューラー、最後がノート、となっている。どちらも1ヶ月ごとにインデックスページに目次を作るようになっていて、その月にどんなことがあり、そのノートは何日のページにあるかを目次から素早く知ることができる。デイリーにしてもウィークリーにしても、通常のスケジューラーと違うのは、スケジュールを記入するページの後ろに「済んだことを書く」ためのノートのスペースが大きく取ってあることだ。スペースがあるため、その日何があったかを何となく書き留めておく習慣ができ、結果としてインデックス付きの日記となる。細々と日記をつけたりするのがめんどくさくてたまらねえ俺のような人間でも、自動的に日記がつけられ、のちのち何かと役に立つのである。
俺はミニ5穴からB5までたいていのサイズのシステム手帳・システムノートを使ってきたが、フランクリンのウィークリーのような「1週間4ページ」は初めてで、これは非常に使いやすいと感じている。通常の見開き1週間のウィークリーは、右ページの裏は次の週。1週間ごとに区切られているようで、実は1枚のリフィルに2週間のことをまたがって記述することになるため、区切りなくずーっと続いているのだ。それに対してフランクリンは1週間が4ページ、2枚のリフィルできっちり完結する。右ページから1週間が始まり、最初にその週のすべきことのリスト、次に見開き1週間のバーチカル*1のスケジュール、最後の左ページにノートで「済んだことについての雑記」が書ける。展望から反省まで、1週間が1つの単位として完結しているのである。仕事の性質にもよるだろうが、1週間という単位を非常に有効に生かせる作りだと感じている。この構成だと、ノートの部分にはいくらでもリフィルが補充できる。実際フランクリンのウィークリーには補充用のノートが数十枚付属している。*2
しかし、難点が一つ。俺はバイブルサイズの横幅を少し広くした大きさのコンパクトサイズってやつを使っているのだが、フランクリンのバインダーは結構でかく重い。できることならふつうのバイブルサイズのスリムバインダーに入れて使いたいのだが、横幅が広くてはみ出してしまう。かといってフランクリン風の1週間4ページを通常のバイブルサイズのリフィルで作っているメーカーは俺の知る限り存在しない。どっかで1週間4ページのリフィル、作ってくれないだろうか。

リナザウを活用したい俺

そんなわけで、フランクリンはちょっとかさばりすぎて常時携帯するのはつらい。となれば、どうせいつも持ち歩くリナザウでフランクリン非携帯時をまかないたくなるのが人情というもの。しかし、スケジュールをPDAで管理するのはこれまで述べてきたように駄目。フランクリンとリナザウの両方にスケジュールを入れるのはもっと駄目。いわゆる「ポケットは一つ」の原則*3があるからだ。
うーんどうしよう、と考えることしばし。下記のような使用法でしばらくやってみることにした。

  1. リナザウは「カレンダー」を基本的に使わず、「TODO」のみ使用する。(「ポケットは一つ」の原則による。)予定を含めすべきことはすべてまずリナザウに「TODO」として記述。この段階では特に期限がない重要度の低い仕事や、期限がはっきりしているだけでいつやるかが決まっていない仕事もずらりとリストアップされてくる。これらは電子情報にしたほうがフランクリンの週単位で時間が切られているTODOリストに書くよりもよいだろう。リストに数的にも時間的にも制限がない、という利点があるからだ。また、日時の決まっている予定は期限として予定の日付を設定する。すると自動的にアラーム付きのリマインダーとなる、というメリットもある。
  2. その週に期限のあるTODOをフランクリンのTODOリストかスケジュール欄に記入。次に空き時間や西村晃氏のいう「ついでのシステム化」*4などを考慮した上、重要度の低いTODOを配してスケジュールを再編する。一覧性に優れ、時間軸を持つフランクリンをTODOの整理と再編の場として使用するわけである。
  3. 日々の出来事や反省の記録もフランクリンを使用する。通常の手帳のスケジューラーやPIMソフトが先の予定ばかりを見るのに対し、フランクリンはルックバックできる。ここがフランクリンの真骨頂、と俺は勝手に思っている。
  4. ただし、後日間違いなく必要になると前もってわかっているメモ類、反復して繰り返し見ることになるメモ類は素早く検索できる形式にしておくことが望ましい。そこで「メモ帳」に記入し、母艦のOutlookと同期しておく。ほんとはテキストファイルにして紙2001の「箱」に入れられるといい(このへんの事情は文具としてのコンピュータを考える(2)-メモ(情報カード) - 覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録に記述した。)のだが、同期に手間がかかるので断念。

以前PocketPCを使っていた時分は、住所録以外はPIMとして使っていなかったので、俺としては今回のザウルスで初めてPDAをPIM的な使い方をすることになる。GenioPocketPC)を使っていたときには、たとえちょっとした覚え書きであっても手書き入力でGenioに入力する気にはとてもなれなかったが、リナザウであればキーボードのおかげでそれほど苦にならない。これなら何とか実用になるかも。

Qualendarを導入

リナザウの標準PIMソフトはお世辞にも使いやすいとは言えない。最大の原因はPDAのPIMとしてのソフトデザインになっている点。せっかくキーボードがあり、それゆえに入力が圧倒的に楽であるのに、スタイラスで操作するデザインになっているのだ。これを解消してくれるソフトがある。それがQualendarである。もともとリナザウをPIMとして使うつもりはなかったので、このソフト、一応入れては見たがカスタマイズがめんどくせえと思い速攻で消してしまった。今回は腰を据えて取り組まねばなるまい、ってことで、次回はこのソフトをソフトレビューっていうと聞こえはいいが単に設定の仕方とか忘れないうちに書いておこうってことなんですが。リナザウ初心者によるQualendarのレビューはネット上でもあんまり見かけないので、多少は意味があるかと思う。
駄目だなあ、自分にすこし知識がある話題だとほんと内容かたくなるなあ、俺。いつもの戯文調は自分の無知や無能をごまかそうとしているからなんだよなあ、と思い知らされて憂鬱になってきたのであるが、3分後にはそれすらも忘れて鼻歌を歌いながら入浴している俺がいるに違いない。だめだこりゃ。

*1:時間軸が縦になっているということ。クオバディスなど外国製の手帳はたいていこの形式。

*2:この点ではデイリーよりもフレキシブルである。デイリーは見開きで一日で、ノート部分が右ページで裏に翌日の左ページが来るため、ノートの追加ができないのだ。

*3:よく手帳の本に出てくる、スケジュール帳を2つにするとダブルブッキングや見落としが必ず生じるので、スケジュール帳は一つにしましょうね、ってやつ。

*4:ある場所に足を運んだときに「ついでにできること」をまとめてやってしまうこと