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覚えられませんっ

元「覚えらんない人のためのオンラインソフト備忘録」。遅ればせながらブログ移行してみた次第。

文具としてのコンピュータを考える(2)-メモ(情報カード)

また手帳の話で恐縮だが、俺は長年システムダイアリーを使用していた。これは日本におけるシステム手帳の草分け的存在である。最近は明らかに古くさいデザインのせいもあって、あまり人気はないようだ。しかし、システムダイアリーの「走り書きのメモをデータベース化する」という設計思想にはすばらしいものがある。実はこのシステムダイアリー、手帳として使ってるうちは全く真価を発揮しないのだ。ファイルボックスを使い、メモを一定量蓄積して初めて、ファイロファックスをはじめとする凡百のシステムノート(うわ、すげえ思い切った言い方)との違いがあらわれる。だから、このシステムは「手帳」というのは本当は明らかに間違いで、「カードシステム」と考えるのが正しい。
このような「私設データベース」は、現在ではどう考えてもコンピュータ上に作るべきものだ。だからこそ俺もシステムダイアリーを使わなくなってしまったし、俺と同様の理由で離れていったユーザーも多いかもしれない。残念なことだが。
なぜシステムダイアリーの話を持ち出したかというと、今回は「保存しておきたいメモ」に関する話をしたいからだ。前回述べた「保存しておきたいメモを記入した1用件1テキスト形式のテキストファイル」とは俺にとってまさにシステムダイアリーの1枚のリフィルのイメージそのものなのである。

メモ(情報カード)→メモソフト=紙2001

前回紙2001についてふれたが、このソフトはメモソフトというよりはWebページ取り込みソフトとして認識されているかたが多いのではなかろうか。どちらも「保存しておきたい情報」なのだから、メモとWebページ保存の両方を同一のソフト上で行うことは非常に理にかなっているといえる。他のメモソフトであればテキスト形式のメモしか扱えないところが、紙2001では取り込んだWebページまでを1件のメモと同様に扱うことができる。この差は大きい。さらに(これはTOMBOとかメモ鉄*1とかでも同じことだが)、紙2001における「箱」(文書の保存場所)はフォルダそのものであるから、紙以外のソフトから「箱」に入れる(紙2001のデータフォルダに保存する)ことも「箱」の中を探す(紙2001のデータフォルダを検索する)こともできる。他のエディタで作成したデータを「箱」に入れることも可能だし、必要なデータのみをPDAの共有フォルダに転送することもできる。*2KWICNAMAZU全文検索インデックスを作成して検索することもできる。汎用性が非常に高いのだ。これは独自データファイルのソフトではできないことである。Webページを1件のメモにできることと汎用性が高いこと、俺はそれゆえ「紙2001しかない」と思っている。
しかし、紙2001にも弱点はある。あくまで俺の環境で使ってきた上での感覚であるが、

  1. 検索がやや遅く、貧弱。
  2. エディタ部が機能不足で、本格的な文章書きには使いづらい。
  3. フリー版の紙2001では「箱」を階層構造にできない。(つまり「箱」のなかに「箱」を作れない。)
  4. フリー版の紙2001ではワード・エクセル文書、PDFファイルが扱えない。

最後の2つはシェア版の紙copiでは可能になっているが、俺にとってはどちらも必要ない機能なので、フリー版を使わせてもらっている。データ保存フォルダはサブフォルダを作ってカテゴリ分類を始めるときりがないので「箱」の中に「箱」は作らないし、そもそもがメモカードを入れる感覚だから、ワードやエクセルなどの「文書」はここに入れるつもりもないので。
また、最初の2つの欠点は前述のように外部ツールを使うことでいくらでものりきれる。俺は長文を書くときは秀丸で書き、「名前を付けて保存マクロ改」という、テキストの1行目をタイトルとして指定したフォルダに保存してくれるマクロを使い、紙2001の「一時保存箱(後述)」のフォルダに保存している。また、全文検索の方はKWICで全文検索インデックスを作っている。このように紙2001自体の限界<紙2001で構築するシステムの限界 であるところがすばらしい。

検索の弱点を補う「蔵書カード」→カード型データベース=MCardDB

紙2001自体の検索の弱点はKWICなどを使うことで乗り切れる。しかし、全文検索ではノイズがどうしても多くなる。これには根本的な解決策がない。また、「1項目1テキストファイル」形式では一覧性に欠けるので、同じテーマのカードを一覧表示したい場合などに不満が出てくる。そのため、俺は紙2001の取り込みフォルダを「一時保存箱」としておいて、ここを整理する段階でカード型データベースソフトであるMCardDBを併用している。紙2001のデータ1件につきMCDBのカード1枚を作成する。これは図書館で資料それぞれに蔵書カードを作るイメージに似ているかもしれない。いちいち書架を探さなくてもいいように蔵書カードの方で検索性を高めようという狙いだ。
データそのものはどんなに膨大なものでも「蔵書カード」はデータを含まないため非常に軽量である。だから「蔵書カード」の方だけを検索すれば本体を検索するよりも遙かに高速かつノイズの少ない検索ができる。また、仮にこの「蔵書カード」が破棄されたり使用不能になったとしても元のデータの方には何の影響もない。
俺がMCDBを使っているのは、テキストファイルや画像ファイルのパスを書いておけばカード閲覧時に直視できる、ソフトが軽い、検索が非常に高速などのメリットゆえだが、シェアウェアでしかももう更新されなくなって久しいので誰にでもお勧めできるというソフトではない。*3だが、フィルタやクエリ、ソート機能が充実しているソフト、たとえばエクセルなどでも「蔵書カード」は作成できるだろう。要は検索キーをつけておくこと、これをやっておかないとせっかくのデータが死蔵されてしまう可能性が高い。一時保存箱を整理して検索キーをつけるのは面倒な作業ではある。しかし、紙2001ではあまりにかんたんにデータが取り込めてしまうので取捨選択する必要があるし、再読することで復習のようなことができるという意味では、無駄な作業とは感じない。
データ本体はどんどん増殖するものである。1つのソフト、1つのファイルの中にすべてのデータを入れていたら、動作も重くなるし、いつか限界が来る可能性が高い。そのときそこまでふくれあがったデータを移行することはとんでもない手間になるだろう。この方法なら少なくともデータそのものはあくまで汎用性のある形で残すことができる。

メモでは補えない部分

実際の文具では、メモ用紙や情報カードでは大きさが制限されたり、一覧性が限られるため、誰もがノートを使う。コンピュータ上でも同じことで、テキストファイルでは表現できるものにはやはり限界がある。そこで、コンピュータ上でできるだけ実際の「ノート」に近づけようとしたソフトがある。それがマイクロソフトのOneNote2003である。このソフトのコンセプトには共感できる部分があったので、けっして安いソフトではなかったが俺はこれを購入した。実際、これまで述べてきた「1用件1テキスト」では難しい部分をカバーするソフトとしてなかなか役立ってくれている。次回は「ノート」としてのOneNote2003を取り上げてみようと思う。

*1:公開停止になってしまった。残念。

*2:俺はPocketPC上でTOMBOを使って閲覧している

*3:フリー版もあると思うが、かなり機能制限されていた記憶がある